幸せの掴み方
その夜、柚葉は、マンションに帰り、圭祐の帰宅を待った。

昨晩は、やはり圭祐の帰って来た形跡はなく、もしかすると、
秘書と一緒だったのかも知れないと、頭の中を過ぎったが、それはそれで、
圭祐とは、きちんと話さないと前には進めないと考えていると、玄関の
開く音がした。

「おかえりなさい」

日付は、もう少しで変わりそうな時刻だった。

「なんだ、起きてたのか!?」

「話が、あるんだけど・・・・・」

圭祐は、いつもと様子の違う柚葉に、驚きながらも、きっと離婚でも
言い出すのだろうと、考えながら

「何の話だ・・・・お前の浮気の話なら聞かなくても十分解っているから
 今更、話なんかしなくても良いぞ。
 菜々美の養育費くらいは出してやるが、慰謝料は、出す必要はないよな!」

突然、圭祐が、離婚話を切り出して来た事に驚き、

「ちょ・ちょっと待って。何で、養育費や慰謝料の話なの?」

「決まっているだろうが!!! お前があいつとよりを戻したから、
 離婚するんだろうが!!
 この用紙に、サインしておけ!!
 一週間以内にこの部屋から出て行ってくれ!!
 どうせ、奴の所に、転がり込むんだろうが!!
 俺の話は、それだけだ!! 」

圭祐は、怒鳴りながら、そう柚葉に言い放し、再度、部屋を出て行った。

柚葉は、話も出来なかった状況に呆然と、そこに立ちすくんでいた・・・・
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