幸せの掴み方
「チェッ・・・・・やっぱり無理か・・・・・」

湊は、あからさまに舌打ちをし、柚葉を後ろから抱きしめながら

「柚、記念に撮ってみようぜ!!」

柚葉の項にキスを落しながら、そう言った。

湊は、告白した夜、キスをしたのをきっかけに、昔のように柚葉に
べったりとくっついてくるようになっていた。

「湊・・・・・ダメ・・・・」

そう言いながらも、湊は、柚葉にキスするの事を止めない・・・・

それどころか、手は、柚葉の大きくなった胸を触り始め、柚葉は湊の手を
『パシッ』と叩き、

「駄目!!  湊は、すぐ触ろうとするんだから・・・・」

半分怒りながら湊に言うが、当の湊は、聞く耳のなく、

「だって、柚葉が可愛いから・・・・・ねっ、写真、撮ろうよ!?」

「絶対に、無理!! たとえ湊だけでも、無理!!
 妊娠してるのもあるけど、もう30過ぎたら肌の艶だって違うんだから・・・
 だから、無理!!」

「解ったよ・・・・記念に良いかなって、思ったんだが・・・・」

湊は、そう言うと、静かに柚葉から離れた。

「あっ、そろそろ、迎えに行かなくちゃ!?」

「じゃー、俺が行って来るよ! 柚は、料理、仕上げておいて!?」

「ありがとう。助かるわ! じゃー、よろしくね!」

柚葉は、湊に菜々美のお迎えを頼んだ。

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