幸せの掴み方
電車の中で、圭祐の住んでいる場所と、柚葉の住んでいる所と、
一駅しか離れておらず、圭祐が一つ先の駅だった事を聞かされ、柚葉は、
今度こそ、自分の降りる駅で、圭祐にお礼を言い、別れるつもりだったが、
それも空振りに終わり、結局、マンションまで送って貰ってしまった。

柚葉は、ここまで送って来てもらって、そのまま帰していいのか、考えながらも

「本当に、ありがとうございました・・・・」

「どういたしまして、柚葉ちゃん、明日は、予定あるの?」

「は・・い・・?明日ですか?・・・」

「うん、明日!」

「いえ、これといって別に・・・・掃除したり、買い物に行く
 くらいですけど?」

「じゃー、今日のお礼に、明日、付き合ってよ!!」

「えっ、・・・・あっ・・・・は・・・い・・・」

柚葉は、きょとんとしながら、圭祐の話を聞いていると

「じゃー、明日、11時に迎えに来るから、部屋は何号室?」

「へっ・・・あっ・・・・301号室です・・・・」

「OK、じゃー、明日!」

柚葉が、言葉を発する前に、圭祐は帰って行った。

一人、マンションのエントランスに取り残された柚葉は、何が起きているのか
さっぱりわからないまま、部屋に帰った。
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