幸せの掴み方
圭祐は、その日の接待は、昔からの知り合いの社長で、なかなかの人物で、
いつも小僧扱いをされている。

決して悪い男ではないのだが、何せ、圭祐の小さい頃からを知っており、
圭祐が、どんな風に育って来たかも、良く知っている人物だった為、正直
気恥ずかしさもあって、苦手としていた。

しかし、今日は、話もスムーズに行き、時間的にもそう遅くならずに
会食は終り、柚香とお互い、労を労うと、圭祐は、社用車で、柚香を送って
から、マンションに戻ろうとしていた。

車に乗り、暫く経つと、圭祐の私用の携帯が鳴った。

「あっ・・・、ゴメン、良いかな?」

「はい、どうぞ・・・」

柚香は、密かに電話の相手は、圭祐の子供からだと察知した。

そして、

「もしもし、菜々美か? どうした?」

「・・・・・グスン・・・・パ・・・パ・・・・ママが・・・・・」

圭祐は、菜々美の泣き声に、一瞬、慌てた。

「菜々美!! どうした? ママが、どうしたんだ!!」

圭祐は、菜々美の尋常じゃない様子に、ついつい声が大きくなった。

「パパ・・・ママが・・・ママが・・・死んじゃう・・・グスン・・・」

「菜々美、良く聞くんだ。

 パパがこれからすぐに行くから、待っているんだぞ・・・・

 玄関のチャイムを鳴らしたら、鍵を開けられるか?」

「・・・・うん・・・・・」

「今から、すぐ向かうから、待ってなさい」

圭祐は、慌てて電話を切ると、運転手に行先を、柚葉のマンションへと
向かわせた。
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