幸せの掴み方
昼間の女性は、確か秘書だと言っていたが・・・・。

「圭祐と別れて・・・圭祐はあなたが子供を妊娠したから、仕方なしに
 あなたと結婚したのよ!
 あなたみたいな地味な女に、圭祐は似合わないのよ!!
 すぐに別れて!! 子供の養育費くらいは支払うから!!」

そう言われて、柚葉は何も言い返せず、彼女の残した匂いが
いつまでも柚葉を攻めたてていた。

「はぁー・・・・・・聞いた方が良いのかな?」

一人で考えていると、菜々美と圭祐がお風呂から上がって来た。

「ママーお腹すいた!!」

「そうだね、ご飯にしようか! 圭祐は、何か飲む?」

「否、ご飯にする。明日、また夜、接待があるから、今日は止めとく
 明日は、泊まるから、俺を待たずに寝てくれ!」

「・・・・解ったわ。・・・それにしても専務になってから、
 飲む機会が増えて、大変ね・・・」

「まぁーな。今までみたいにしていられたら楽なんだろうけど、
 今は、会社の経営にも携わっているから、なかなか断れないんだよ。」

「体だけ、気を付けてね・・・・・」

「解っているよ。それより、それって・・・・・」

「あぁー、今日、スーパーで見かけたから、買ってみたの。」

柚葉は、圭祐の会社で取り扱っている新商品のコーヒーを、買って来たのだ。

「そっか、飲んでみて、また感想を聞かせてくれ。
 柚葉の意見は、結構、的を得ているから、俺としても参考になるんだ」

「解ったわ。明日の朝、淹れてみましょう」

柚葉は、そう言いながら、菜々美を促し、三人で夕食を食べた。
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