幸せの掴み方
そのまま、圭祐は、タクシーに乗り、会社へ戻り、専務室で
一人、柚葉と湊の事を考えていた。

『アイツとよりを戻したから、この間、俺とのセックスを拒んだのか・・・
 クソッ・・・・・』

圭祐は、奥歯を噛みしめ、怒りで気が可笑しくなりそうだった。

こんな状態で、また柚葉を見れば、それこそ何を口走るかわからないので、
圭祐は、その夜は、ホテルに泊まることにし、

柚葉に連絡を入れる事もせず、圭祐はその夜、帰らず、ただひたすら
柚葉と湊の事を考えていた。



一方、入院することになった柚葉は、ベットに横たわり、点滴を
受けており、

それに付き添うように、湊が、柚葉の側にいた・・・・・

「湊、色々、ありがとう。もう大丈夫よ・・・仕事、まだあるんじゃないの?」

「柚は、心配しなくていい。それより、旦那の事を、どうしてそんなに
 気を使うんだ?
 お前の態度は、明らかに腫物を触るような感じにしか見えないぞ!?」

柚葉は、湊の言葉に、何も言えずにいると、

「柚、お前が言いたくないのなら、それでもいい。
 でもな、菜々美は、そんなお前の様子を、常に見ているんだぞ!
 少しは、菜々美の事を考えたことはあるのか?」

柚葉は、湊の言葉に『ハッ』とし、顔を歪ませた。
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