幸せの掴み方
圭祐は、その日、取引先との昼食会があり、昼食会のあるホテルで
昼食を取り、取引先を見送ると、圭祐は、柚葉と湊の事もあってか
少し気持ちを落ちつけたくて、そのホテルのバーへ足を運んだ。

そのバーは、夜は、バーをしているが、昼間は穴場のカフェをしており
そのことを知っている人は少なく、のんびり出来る為、圭祐はそのバーを
よく利用していた。

エレベーターを降り、バーに向かうと、男女が抱き合っており、

『全く、こんな昼間っから何してるんだよ!!仕事しろよ!!』

そう思った瞬間、男性の胸で泣いていたらしい女性が、顔を上げると

「ありがとう、湊・・・・・・・」

その男女は、柚葉と湊の姿だった。

「・・・・・・・圭祐・・・・・」

柚葉の声を聞いた瞬間、圭祐は、頭に血が上り、

「柚葉、どういう事だ! 何をしている、こんなところで!!」

今まで、柚葉に対して怒鳴ったことなどなかったが、自分の感情を
抑えられなかった。

「圭祐・・・・・・・」

何も言わない柚葉に、益々怒りが込み上げ、圭祐は、踵を返し、
その場を去ろうとしたら、柚葉が走り寄り、

「圭祐・・・・待って・・・・誤解よ・・・・」

柚葉はそう言いながら、圭祐の腕を掴んだ瞬間、

「俺に、触るな!!」

圭祐は、怒りと共に、柚葉の腕を払いのけ、その瞬間に
柚葉は転んだようだったが、圭祐にはそれを気遣うだけの余裕はなかった。
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