World Walker
「な、名前を訊くならまず自分が名乗りなさいよね!」

助けてもらったのに礼も言わず、まず得意のツンを披露するりせ。

それでも機嫌を損ねる風でもなく。

「成程、一理あるな」

男性は頷いた。

「ルドルフ・クラインリーゼ・リリアという。君は?」

「…天地 りせよ」

二度目の問いかけに、ようやくりせは名乗った。

「りせか…こんな所で何をやっている?」

「旅の途中なのよ。さっきここに辿り着いたばかりで…夜中だから宿を探すにも土地勘がなくて困ってたの。これから街の方へ行ってみようと思ってたんだけど…」

< 192 / 456 >

この作品をシェア

pagetop