World Walker
常人では近づけないような、暗く昏く霧深い、昼も尚漆黒の闇夜のような森。

知らぬ者が訪れれば、あっという間に方向感覚を失って彷徨う羽目になるだろう。

そして行き倒れになって、野犬なり狼なりの肉食獣の餌食となる。

きっと近隣の村や街では、近づいてはならぬ禁断の領域、或いは自殺の名所として語られているに違いない。

そんな森に、りせは足を踏み入れる。

どうあっても、ここに入らなければならない。

それがマー君に託された、りせの目的だった。

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