World Walker
しばらく鬱蒼、陰鬱とした森の中を歩く二人。

その足が、止まる。

「……」

「……」

無言のまま、二人は前方を凝視していた。

…いつの間にか、そこかしこから聞こえていた虫や野鳥の鳴き声が聞こえなくなった。

気味が悪いほどの静寂が、周囲を包む。

これだけの深い森。

『何もいない』のは不自然。

何もいないのではない。

『その場から離れた』のだ。

身の危険を感じ取って。

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