World Walker

最後の朝餉

カチャカチャと食器の音だけが響く。

食事をとるには不相応なほどの大きなテーブルに並ぶ、数々の料理。

メイドのリルチェッタが紅茶をティーカップに注ぎ、その横ではクレオがボイルドポークを切り分けている。

ナプキンで口を軽く拭い、フォークとナイフを置いた来栖は。

「どうした、食べないのか」

食卓の対面…遠く離れた席に座るりせとヘヴンに向けて言った。

「こんなナリだがクレオの作るボイルドポークは絶品だ。ベーコンエッグもベーコンの燻製具合といい卵の半熟加減といい絶妙…悪くないと思うがな」

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