あおぞら。
病院から出ると、冬のひんやりとした空気がわたしを包んだ。
おもいきり息を吸い込む。
からっぽになったお腹に、ぱんぱんになるほど詰め込んだ。
この空気を感じることのなかったあの子に届かないか
そんなことを考えたが、意味がないことに気付き
すぐに吐き出した。
白い息がもくもくと立ち上ぼり、すぐに消えた。
跡形もなく、消えた。
冬のそらは、今日も青い。
どこまでも続くそらは透き通るように綺麗で
少し悲しい色をしていた。

