キミに会いたい
第四章


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今日も賑やかな町に私は居る。

大根を木箱に入れていると、着物を引っ張る子供が居た。


「お姉ちゃん、大根一本ちょうだい!」

5歳くらいの男の子が左手で握っている7文を私に見せて言ってきた。


「いらっしゃい!大根一本、7文ね?毎度あり♪」


男の子から7文を受け取って一番新鮮な大根を選んで渡してあげた。


「母ちゃんに頼まれたんだ、おれ。みそ汁作るって言ってた!」

「そうなの?じゃあ、お母さんに美味しい味噌汁作って貰いな?」

「うん!!!」

大根を受け取った男の子は照れくさそうに笑って去ろうとした。


「あっ!ちょっと待って!!」


「うん?なにー?」


「金平糖あげる!お母さんのお手伝いするキミに、お姉ちゃんからご褒美だよ!」


私の声に立ち止まった男の子の側に近寄り、目線を合わせるようにしゃがみ込むと

男の子の手のひらに金平糖が入った小さな袋を握らせた。

「私、春乃って言うの。キミの名前は?」


「類だよ!」

「ありがとう!!また来るね、春乃姉ちゃん!!」

にぱぁっと花が咲いたかのような笑顔を浮かべた類は私にお礼を言って、元気良く走って行った。
「またねー!!!」


走り去る類に手を振って見送っていると、横から人にぶつかりそうなに見えた。


「類、危ない!!!!」


ドンッ―――――――‐



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