もうすぐ夏なので怪談話でもおひとつ
 クラブはお約束で、漫画研究部でしたね。

 まぁ、ほんとにお約束。

 ヲタクばっかり集まって、揃いも揃って、霊感ありありで。

 先輩の一人に強烈に霊感が強い、霊能者が居まして。

 合宿の時に色々とありました。


「この建物って憑いてるから、いちおう、全員に魔除けしとくねー。」

 明るく言い放つ先輩。

 で、全員で泊まる一室には結界をみっちりと張ってから、寝ました。

「ねー、ここの怪談話ってどんなの?」

「知らんの? 階段を昇ってくる足音が聞こえるんやって。

 で、障子になんや影が映るそうやで。」

 そんなら起きて確かめようやないか、という事で徹夜を敢行したわけです。


「あかん。眠い。先に寝るなー?」

「解かったー。おやすみー。」

「あんた眠ないの? がんばるなー。」

 次々と寝落ちていく部員をしり目に、わたしの目は冴えわたっていました。

 ぜんぜん眠くなどない。


 気付けばわたし一人を残して全員が撃沈していました。

 そして、聞こえ始めた廊下を渡る足音。

 ひた、ひた、


 おお、ついに来たか、と障子に目をやるも何も映らず。

 足音もいつしか止んで。

 おかしいなー? とか思っていると、また足音。

 ひた、ひた、

 今度こそ、と障子に向き合う。



 そんな事を繰り返しているうちに、すっかり朝になっていました。

 いやぁ、笑い話ですね。(笑
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