エリートなあなたとの密約
仕事と結婚。——新たな幸せに付随して生まれる悩みは、今後もきっと尽きないだろう……。
朝、無機質なアラーム音で目が覚めると、身を預けるキングベッドには既に修平のぬくもりはなかった。
留守が当たり前なのに。はぁ、と無意識に溜め息をついてしまう私は贅沢者だと反省した。
適当にシャツを羽織ってリビングに向かうと、間接照明がひとつ点いているそこにも彼の姿はない。
“WEB会議があるから先行く”、という置き手紙がダイニング・テーブルに残されていた。今日は何時から会議だったのか、あとで絵美さんに聞いてみようと決めた。
普段ならば小さな物音で起きるのに、昨夜は熟睡してしまったようだ。……貴重な見送りどころか、惰眠を貪る新妻ってどうなのだろう?と思えてくる。
それに、前だったらエッチのあとに眠ってしまうことも少なかったのに。疲れが取れ難くなってきているのかな、と鏡で青クマの目立つ顔を見ながら自嘲した。