禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
「しょ…将軍!!」
後方に控えていたギルブルクの兵達が一斉にざわめき出す。
「くそっ…!たかが二人だ!全員で聖乙女を捕らえろ!」
将軍の負傷に、我を取り戻したように黒龍団の兵士達が剣を構えた。
ミシュラとアンは互いに背を庇いながら構えを取り、向かってくる兵を次々と打ち払った。
大将の負傷と云うのは兵達にとって大きな精神的打撃となる。
黒龍団とは言え士気の乱れた兵の剣など、二人の敵では無かった。
「退け!!お前らの大将は負けた!この戦いは我らの勝ちだ!」
ミシュラが勝鬨を上げると、黒い鎧の集団は怯えすくんだ。
数名が剣を下げ、出口へと後ずさる。
圧倒的不利だった戦いに、光明が見えた。
ギルブルクの中心となっている黒龍団が撤退すれば他の兵団も退くやもしれない。そうでなくても士気は大きく下がる。
ミシュラがこの戦いに希望を見出だした時だった。