禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
てっきり登城初日にあんなキツい事を皆の前で言われて落ち込んでるものかと思っていた。もしかしたら泣いてるんじゃないかとさえ。
もしそうならこの僕が慰めてやらねばと、ミシュラはリヲが制止するのも聞かず詰所を飛び出して来たのだ。
けれど、目の前の少女は泣くどころかはつらつと笑っているではないか。
「…落ち込んでなくて良かったよ…」
ミシュラはハハハとなんとも複雑な顔で笑いを溢した。
「兄さんの言うことは尤もだもの、私がいけなかったわ」
アンは踵を返すと再び向かっていた方向…自分の宿舎へ向かって歩き出した。
ミシュラもそれを追い掛ける。