スイートペットライフ
＊＊＊

二人していい気分で少し酔いのまわった身体をさますために、綺麗にライトアップされた竹林をゆっくりと歩いた。

“チーチー”と涼しげな虫の声のなか二人が踏む砂利の音が響く。

都会とは違う静寂の中にある、どこか落ち着く空間をただ二人で歩いていた。

「ミィ足元気をつけてこっちにおいで」

そう言われて、手をひかれる。

「あぁ、いたいた。見てごらん」

そう言われて、気にしていた足元から視線を上にあげると、ふわふわとした光が無数に瞬いていた。

「わ～ホタルだ！こんなにたくさんすごいです！」

思わず喜んで興奮した私に大倉さんは満足そうに微笑む。

竹林の中に人工的に作った小川には、はかない光がふわりふわりと瞬いている。

「綺麗ですね。素敵です」

「あぁ」

今日は、何度この人と素敵な時間を共有しただろうか。

彼の言う“大事な思い出”が沢山増えた。

こんな風な心の中に残るような思い出を一緒に残せる人とは人生でどれぐらい出会えるんだろうか？そして私にとってのそのうちの一人が大倉さんだ。

周りからみれば、私達二人の関係は理解しがたいだろう。私だって上手に説明できない。だけどこの二人の距離感が何ともいえず心地よかった。

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