スイートペットライフ
一気に階段を駆け下りると、大倉さんが車に乗り込むところだった。
「オミ君!待って、行かないでオミ君!」
私の呼びかけに振り向き驚いた顔をする。
必死で階段を駆け降りた私の足は日ごろの運動不足がたたってふらつく。
転びそうになった私を支えてくれたのは、懐かしいあのたくましい腕だった。
「大丈夫?どうしたの?」
そう聞かれて私は息切れしたまま答えた。
「大丈夫……じゃない。大丈夫じゃないです!帰ってきてください。あのマンションに、二人の部屋に帰ってきてください」
私は大倉さんの首に手をまわして思いっきり抱きついた。
久しぶりの甘い匂いに安心する。
「ミィここ外で事務所のまん前だけどいいの?」
「そんなことどうでもいいんです。返事は?」
ギューっと首にまわした腕に力を込める。
「ん~そうしたんだけど、僕もうミィの飼い主にはなれないから」
その言葉にギュッと心臓を掴まれた。
「どうして、どうしてですか?私のこともう一緒に住めないほど嫌いになりましたか?」
自分で言葉にしたのに、その内容に傷つく。
「違うよ。その反対――好きすぎてもう飼い主じゃいられないんだ」
その瞬間私の背中にまわされた手が痛いほど私を抱きしめた。
「ねぇ、ミィ覚悟できてるの?」
「何のですか?」
「僕の“こじれすぎた”初恋を成就させる覚悟だよ」
結婚までしてバツイチなのに初恋?そう思って大倉さんの顔を見上げる。
「正真正銘ミィが初恋だよ。何があっても諦められないのはミィだけだから」
そう言って私のこぼれ落ちそうな涙を唇で受け止めてくれた。
「さぁ、一緒に帰ろう」
耳元で甘く囁かれたその声に体の深いところから喜びがあふれる気がした。
「オミ君!待って、行かないでオミ君!」
私の呼びかけに振り向き驚いた顔をする。
必死で階段を駆け降りた私の足は日ごろの運動不足がたたってふらつく。
転びそうになった私を支えてくれたのは、懐かしいあのたくましい腕だった。
「大丈夫?どうしたの?」
そう聞かれて私は息切れしたまま答えた。
「大丈夫……じゃない。大丈夫じゃないです!帰ってきてください。あのマンションに、二人の部屋に帰ってきてください」
私は大倉さんの首に手をまわして思いっきり抱きついた。
久しぶりの甘い匂いに安心する。
「ミィここ外で事務所のまん前だけどいいの?」
「そんなことどうでもいいんです。返事は?」
ギューっと首にまわした腕に力を込める。
「ん~そうしたんだけど、僕もうミィの飼い主にはなれないから」
その言葉にギュッと心臓を掴まれた。
「どうして、どうしてですか?私のこともう一緒に住めないほど嫌いになりましたか?」
自分で言葉にしたのに、その内容に傷つく。
「違うよ。その反対――好きすぎてもう飼い主じゃいられないんだ」
その瞬間私の背中にまわされた手が痛いほど私を抱きしめた。
「ねぇ、ミィ覚悟できてるの?」
「何のですか?」
「僕の“こじれすぎた”初恋を成就させる覚悟だよ」
結婚までしてバツイチなのに初恋?そう思って大倉さんの顔を見上げる。
「正真正銘ミィが初恋だよ。何があっても諦められないのはミィだけだから」
そう言って私のこぼれ落ちそうな涙を唇で受け止めてくれた。
「さぁ、一緒に帰ろう」
耳元で甘く囁かれたその声に体の深いところから喜びがあふれる気がした。