スイートペットライフ
大倉さんが適当に頼んでくれた料理とお酒はどれもおいしかった。

コリンズグラスに入った、オレンジのグラデーションのカクテルには良く分からないけれど綺麗な花が飾られていた。

エビチリのお皿には、乗っているエビチリよりも大きな伊勢海老の姿があったし、よくわからない、揚物の中心にはなにかで作られた鳳凰が皿の中心で羽ばたいていた。

二人しかいないのに、ターンテーブルをくるくると回して私の取り皿に次々と料理を取り分けてくれた。

「ミィ、これもこれも、それもあれも全部食べて!」

そう言って私の取り皿はすでに山盛り状態だ。

「こんなに食べられません。おお、じゃなくて、オミ君も食べてください」

「ミィは優しいね。僕のことまで心配してくれるなんて」

目をキラキラさせて喜んでいるところ悪いが、私は自分のことしか心配してない。これ以上食べさせられたらきっとリバースする…。

「これ以上はおなかに入りません」

そういって箸を置くと大倉さんは残念そうにした。

「そっか、デザート杏仁豆腐なんだけど、ここのとってもおいしいからミィに食べさせたかったのに…」

杏仁豆腐!大好物。大好物!

「あの…、それなら食べられます。食べたいです。実は大好物なんです!」

思わず前のめりでアピールしてしまう。

会社の下の喫茶店で所長の奥さんが作る杏仁豆腐がおいしくて、それ以来ありとあらゆる杏仁豆腐を制覇するぐらい好きになった。
< 75 / 249 >

この作品をシェア

pagetop