片想連鎖 ~伝えたい心~

《 美樹 & 絵里 side 》


明奈と佐々木が教室を出て行った後、美樹と絵里は、椅子に腰をかけたまま話をしていた。


「結局、明奈が別れた理由ってさぁ…?」


「言葉どおりの意味じゃないの?」


「え?そりゃそうだけど、男として意識してさ、『何が』『どうなって』別れるに至ったか分からないじゃん?」


「もう終わりって言ったじゃない?わざわざ聞く事でもないし…。」


『や、そうだけどさぁ…』
と、スッキリしないという顔をした絵里に、
『でも…』
と美樹が話し出した。


「絵里のそういう所、すごいなぁとも思うよ?」


「は?何、突然!」


「私は、明奈の気持ちに添って、支える事だけしか出来てないから…。絵里みたいに、少し踏み込んで行くのも必要なんじゃないかな…とも思う。」


「やめてよー!あたしは明奈の為だとか、そんなんじゃないし。」


『むしろ、あたしの自己満みたいな?』
と、絵里はニカッと笑ってみせた。

その絵里の頭を撫でながら…
『自分を隠す癖、少し明奈に似てる…。』
と言って微笑んだ後、続けて話し出した。


「仮に、絵里の自己満だったとしてさ?その何気ない絵里の行動や言動で、明奈は救われるんじゃないかな…。」


と美樹が言ったら、絵里は照れ臭そうに頬を掻きながら、へへっと笑った。


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