片想連鎖 ~伝えたい心~

美樹は自分の携帯で時間を確認すると、鞄を持って立ち上がり、
『そろそろ下駄箱行こっか?』
と言った。

それに頷いた絵里も鞄を肩に掛けて、二人で教室を後にした。


「あたしさぁ、ホントに明奈と佐々木はお似合いだと思うんだよね…。押し付けとかじゃなくて。朝と、さっきもだけど、あの二人の雰囲気良くない?」


「うーん…?でも、明奈怒ってたよね?ああいう風な明奈は見たことないから…何とも言えない。」


「明奈はさ、確かに怒ってたけど楽しそうにも見えたけどなぁ…。ま、佐々木が明奈を好きなのはバレバレだけど?」


絵里の”バレバレ”発言に美樹は、
『確かにっ』
と言って笑った。


「要は、明奈が笑っていられるなら、それでいっかぁ?」


「うんっ!」


と、話ながら二人は満足そうに笑い合い、明奈の待つ下駄箱に向かって廊下を歩いていった。



温かくなった心と共に…


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