誠につもる白雪かな
向かい合って座った二人だったが
何も話さない土方に沖田は痺れを切らした。


総「いい加減にしてくださいよ!!」


一つため息をつくと土方は話し始めた。


土「はあ...落ち着けよ...」


総「これが落ち着いていられますか!!」


土方はにやっと笑った。


土「おい総司....お前...凛に惚れてるな?」


総「だったらなんですか?」


そういって挑発的に見てきた沖田に面食らった。


土「凛はいま...長州贔屓の店に潜り込んでいる。踏み込むには今一歩証拠がつかめねぇ。」


総「なんだって!?長州贔屓の店!?なんでそんな危険な真似を!!凛のことなんだと思ってるんですか!!」


掴みかかってきた沖田を軽く払うと土方は睨み返した。


土「勘違いすんな。俺だって反対だった。だがな、あいつが自ら行くっていったんだよ。自分の誠の為にな...。」


総「っ.....だからって....」


悔しそうに唇を噛みうつむいた。


土「山崎も付いてる。大丈夫だ。お前は心配すんな。」



うつむいたままの沖田をそのままに土方は部屋から出て行った。
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