黒猫浮かれん坊
「黄緑も黄色も変わらないじゃない」

ぷぅっと頬を膨らませる小夜らしき者を
玲は睨みつける。

「でも、私を抱きしめたでしょ?」
「なっ…」
「あっ…私じゃなくて、“小夜”を」

玲は顔面蒼白で一応後ろを見る。

「心配しなくてもいいんじゃない?玲」
聞き覚えのある声…
玲は後ろを向けなかった。

「大丈夫だよ、これ位じゃ怒らない」
「ちがっ…」
「でもいつもそうだよね」
「だから!良ちがっ!」
「お前はいつも俺から大切な物を奪う
あの時だって…!!!」
「違う!良!違うんだ!」

玲が後ろを向くと、そこには一匹の黒猫
「にゃぁ!」
「死者って…誰だよ…」
「にゃぁ!」
「良も…小夜も…生きてるじゃんか…」
「本当?じゃあ君が死者?」

突然の声に悪寒が走る。
上から聞こえるその声、
どっかで聞いた事あるようなその声に
玲は上を見た。

「死者を探して?そしたら謎は解ける」
「教えろよ、死者って誰だよ」
「それは言えない、ゲームを攻略してしまったらつまらない」

謎の声はそういうと
キヒヒっと笑って消えた。
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