坂口美里とガルダスト

「階級なし?」


 それに対して、いぶかしめな顔をするアルマーニスーツ。


「つまり、特権階級なのよ。その格好も、身の安全のためよ。あまり、追求しすぎないでちょうだい。非難されるのは私たちの家の方よ。」


「か・・・カオリ?」


 思わず、呼び捨て。


 何か、もう敬語を使うことすら忘れてしまう。


「お待たせ、美里。さあ、行きましょう。」


 私の手をとって、相変わらずうれしそうに歩みを進める


「そ、そんなこととは、露知らず、大変失礼しました。」


 先ほどとは、一転。カオリが来た途端、身を改めるアルマーニスーツ。


 そんな嘘っぱち・・・信じてしまうんだ・・・。アナタは・・・。


「フフフフ・・・。」


 カオリは、そんなアルマーニスーツを見て、本当にうれしそうな笑みを浮かべた。


 あ、悪女だ、あんた・・・・。


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