坂口美里とガルダスト
さんしょう

「こちらになります。」


 歩くこと、一分強。私たちは小さなテーブルに案内される。


 そこにはすでに2人のボーイが待ち構えており、私たちの姿を見るや否や、一礼を述べて、椅子を引く。


 座るところまで、人任せですか?この家は・・・?


「本日のメニューになります。」


 座った私たちに、お品書きを渡すアルマーニスーツたち。


 家の中でメニューが出るなんて、ビックリ以外の何物でもない・・。


 恐る恐る眺めてみるが・・・・・・・・。


「何かいてあるのか、分からない・・・。」


 正直に口に出る。


 そこに書いてある文字は、英語ですらなかった。


 異世界文字?


「あなたたちに任せるわ。そうね・・・羊がいいわ。」


 戸惑っている私をカバーするかのようにカオリがアルマーニスーツに声をかけた。


「かしこまりました。」


 それを、汲み取ったのか一礼をしてから、踵を返すアルマーニスーツ。


 彼がどこかに消え去ったのを確認してから、思わず周りを見渡してしまう。


 見慣れぬテーブル。


 天井にはシャンデリア。


 テーブルに散りばめられた装飾品も、どう考えてもレプリカには思えない。


 どどどどどど・・・どうしよう?


 私、齢15にして、人生の知りたくない部分を知ってしまった気がするよ・・・。


 おか~さ~ん!!


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