【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~
仕方なくお姫様だっこをされたまま、カードキーを差し込んだ。


ドアが開いたら片桐蓮司はズカズカと私の家に入った。


「寝室。何処だ」


何がなんだか分からず戸惑っている私に急に話しかけてきた。


「……まっすぐ行って左の部屋…」


私が言ったあと、片桐蓮司は寝室に向かった。


そして、私をベットに優しく降ろす。


「ゆっくり休めよ。じゃあな。」


私の頭を撫でながら、出ていこうとした。


――行かないでっ…―


そう思ったとき、私は掴むつもりなんかなかった彼の服の裾を掴んでいた。
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