笑ってくれますように
瀬越は入った途端、私の手を繋いだまま当然のように言った。
突然入ってきた瀬越の言葉にみんなはもちろん、私も呆気にとられる。
「ほら、行くぞ。」
瀬越は自分と私の鞄を持つと、私を連れてパーティールームの外に出た。
そのまま、カラオケ店の外に出た。
「ちょっと瀬越?」
「なんだよ。」
なんで、こんなに不機嫌なの?
「どうしたの……?」
「別に。」
これじゃあ、いつもの私たちの立場が逆になってるみたい。
「なんか……ごめん。」
「………お前がナンパなんかされてるから。」