ロング・ディスタンス
 その夜、神坂と栞は久々に行きつけのホテルに向かった。

 お互い知り尽くした体をむさぼるように愛し合い、付き合い始めた頃に抱いたような新鮮な感情が湧き上がる。
 神坂の愛撫を受けながら、彼女は信じられないほどの悦びに包まれていた。惚けた頭の中で、もう後戻りはできないと思った。たとえ世界中から批判され、見下されようとも、彼女は神坂を愛しているのだ。
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