ロング・ディスタンス
台所へ辻堂が入ってきた。
「お前さんたち、ここで何をしゃべってるんだ?」
「何でもない。女同士の会話よ」
美加子が答える。
「おいおい何なんだよ、気になるな。ところで、そろそろデザートにしようぜ。栞さんのお土産のことを聞いたもんで、竹志がケーキを早く食べさせろってうるさいんだ。」
竹志とは辻堂の長男の名前である。
「わかったわ。今持っていくから」
美加子と栞はそれぞれフルーツとケーキの載ったお盆を居間に運んだ。
今夜は栞にとって久々の楽しいお呼ばれだった。
辻堂家を辞去した後、太一が島の旅館まで栞を送ってくれた。
旅館の入口の所で彼が「お休み」と言った。
彼女もまた「お休みなさい」と返す。
彼の白いポロシャツが暗闇の中に消えるまで見送った。
「お前さんたち、ここで何をしゃべってるんだ?」
「何でもない。女同士の会話よ」
美加子が答える。
「おいおい何なんだよ、気になるな。ところで、そろそろデザートにしようぜ。栞さんのお土産のことを聞いたもんで、竹志がケーキを早く食べさせろってうるさいんだ。」
竹志とは辻堂の長男の名前である。
「わかったわ。今持っていくから」
美加子と栞はそれぞれフルーツとケーキの載ったお盆を居間に運んだ。
今夜は栞にとって久々の楽しいお呼ばれだった。
辻堂家を辞去した後、太一が島の旅館まで栞を送ってくれた。
旅館の入口の所で彼が「お休み」と言った。
彼女もまた「お休みなさい」と返す。
彼の白いポロシャツが暗闇の中に消えるまで見送った。