ロング・ディスタンス
すぐに蛤の皿が来たので、細谷がそれを目の前にある炭火のグリルにのせて焼き始めた。
「やっぱり児島さんって、他の部で人気あるの? うちの職員は女ばっかりだからわかんないけど」
泉が細谷にたずねる。
「おっちゃんのファンが多いよな。うちの先生方にも。児島さん、前は受付に座ってたから目立ってし、テレビのお天気お姉さんみたいに、職場で見掛けて癒される存在なんだろうな」
細谷は、泉の嫉妬を買わないような表現を努めて使って、栞のことを形容している。
「こんなに素敵なのにフリーだなんて不思議ですよね、ホント」
泉が言う。
栞は今の自分の状況を思い、心の中で苦笑した。神坂との関係が周囲に公表できるようなものだったらどんなに良いだろうか。
「やっぱり児島さんって、他の部で人気あるの? うちの職員は女ばっかりだからわかんないけど」
泉が細谷にたずねる。
「おっちゃんのファンが多いよな。うちの先生方にも。児島さん、前は受付に座ってたから目立ってし、テレビのお天気お姉さんみたいに、職場で見掛けて癒される存在なんだろうな」
細谷は、泉の嫉妬を買わないような表現を努めて使って、栞のことを形容している。
「こんなに素敵なのにフリーだなんて不思議ですよね、ホント」
泉が言う。
栞は今の自分の状況を思い、心の中で苦笑した。神坂との関係が周囲に公表できるようなものだったらどんなに良いだろうか。