鬼神姫(仮)
静かな部屋には先程の賑やかさの余韻が残っている。
あのあと、四人で笑いながら話をしたのを思い出し、雪弥はそっと笑った。
年の近い者が四人。もし、違う出逢い方をしていたなら、どうなっていたのだろう、と思う。勿論、自分は鬼ではなく人間として。
そうしたならば友人になれたのだろうか。
自分には友人と呼べる存在は一人もいない。
雪弥はそう思ってから己の掌を眺めた。
鬼と人間。一体何が違うというのか。見た目は寸分違わぬ存在。しかし、鬼には強大な力を持つものもいる。だが、人間と同様、何の力も持たないものもいるのも確かだ。
そして人間だって、不可思議な力を持つものもいる。
番人達のように鬼に力を与えてもらわずとも、力を手にしているものもいると聞く。
ならば、一緒なのではないか。
そうは思っても、恐らく流れる血が違うのだ。
この体を流れる血は、同じ朱であろうとも、違うのだ。
──私に出来ること。
それは、彼らを決して死なせないこと。
雪弥は強く思った。
嘗ての鬼神姫と番人達のように、そこに絆があるわけではない。契りを交わしたわけでもない。
ならば、護るのが私の務めではないのか。
雪弥は開いていた手を強く握り締めた。