鬼神姫(仮)



「ああ、いえ。駄目では……ありませよね?」

雪弥は自身の決断を持たず、緋川に尋ねた。

「ええ……番人が揃っていれば問題はないでしょう。一応
、白瀬様には確認致しますが」

緋川の言葉に巴はほ、と息を吐いている。小さくて可愛らしい少女。

雪弥がそんな巴をじっと見詰めると、巴はぱっと姿勢を正した。

同じ年頃だろう。

なのにこうして、目の前には見えない何かがある。それは人と鬼の差か。それとも、鬼神姫と番人の差なのか。

「もう下がりなさい」

雪弥が呟くように告げると、巴は深く頭を下げた。








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