ヘビロテ躁鬱女
「愛子さんも面白いアルネ! 可愛いし最高ダヨ」


「やだぁ~! 王さんったら!」


「狂子は愛想悪いけど愛子はバッチリだな。飲食業じゃ不可欠だからな!」


横溝……私には、いつだって厳しく冷たかったのに――。


「あっそ! 分かった。じゃあ愛子さん。お通し付けといて。私、看板とノレンを出してくるから!」


ぷいっと、膨れっ面で仕事の続きをしようとした。


サボっている人と同じ給料だなんて……最初の頃はみんな、私に辛口だったじゃない!


「おい狂子。行く前に、ちゃんと教えてやんねーと!」


振り返ると愛子は、とびっきりの笑顔を作っていた。計算の微笑み。そう私には瞬時に思えた。
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