ヘビロテ躁鬱女
「手伝うよ。昨日ピッチ早かったもんね、二日酔い?」


看板に巻きつけてあるコードを衣舞は解いた。


「ねぇ、衣舞。今日の夜、一緒に御飯食べようよ。相談したいことがあるの」


「ん、どした? また家で嫌なことがあったの? 電源入れといたよ。おーわり!」


衣舞は明るく手を叩き、埃を払っていたが、私の様子を見て真剣な顔付きになった。


「……」


「あ……新庄さんと帰りに、なにかあった?」


鋭い。それもあるけど、私が悩んでいるのは、もっと別なこと……。


言っても仕方がないと、分かっているけれど、衣舞にはなんでも伝えて置きたかった。納得できないこの気持ちを。


「勿論いいよ。私も昨日は酔っ払いすぎちゃったよ。ほら、上へ行こう? 時間が来ちゃう」
< 119 / 417 >

この作品をシェア

pagetop