ヘビロテ躁鬱女
 ――これは私なりの宣戦布告。


「あ、もうビールが無くなっちゃった……ねぇ――衣舞、良かったら私の隣へ座らない?」


「……う、うん。いいよ」


衣舞に目を合わせると、気まずそうに和歌子を一瞥した。すると和歌子は、今にも「なんで」と言いたそうな顔で、首を伸ばした。


――和歌子から見れば、いつ二人は元通りの仲良しになったの? って感じなのかな。


「残念……狂子から注がれたビールを飲みたかったなぁ!」


「新庄さん。飲み干した頃にもう一度来るね!」


口角を上げ、しっとりとした瞳で見詰め返した。


新庄さん……この人からは告白されたままで終わっていた。ある意味、味方よね。
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