ヘビロテ躁鬱女
「さぁ。行きましょう衣舞」


「うん!」


衣舞は軽やかに立ち上がり、私は輝の元へ歩いた。


輝は一連の行動を見ていたせいか、早くも血走った目をし、テーブルの上で拳を作っていた。


――みんながいるんだから……殴れないわよね。貴方は外面だけは、プライドの高い人間だもの――。


「みんなにビールを注いできたよ」


「お前、なんで鉄平にまで! なんだぁ? あの表情――」


「輝さん、隣失礼しまーす!」


言葉を遮り、衣舞は輝の隣に座った。
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