ヘビロテ躁鬱女
「衣舞、なんだよお前……あっちに座っていたんじゃないのか?」


「なにか問題でもあるの輝さん? ……ウーロンハイが好きなんだよね。作ります!」


衣舞の笑みに、輝はやむを得ず従い、大人しくなった。


これでいい。私は隅っこが一番気が楽。


ビールから赤ワインに切り替え、ボトルをワイングラスに注いだ。


輝は良いとして、私はどうやって鉄平に近づこう……和歌子がいつも側にいるし――。


お皿に醤油を垂らし、またボーっと考え込んでいた。それにしても衣舞を飛び越えて輝がチラチラと睨んでくる……。


やっぱり少しだけ怖い――。
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