ヘビロテ躁鬱女
 新庄さんには悪いけれど、返事をしながらも、瞳は隣の鉄平に奪われていた。


「呂律ぅ? 全然だいじょうびぃ~今日は何曜日ぃ~? トイレから戻ったら隣に座れよ。鉄平の隣じゃ、つまらなくって」


「酷いなぁ新庄さんっ!」


無邪気な鉄平の声。酷く懐かしいものに感じた。


――隣かぁ……じゃあもしかして新庄さんと鉄平の間に座れる――?


そう閃くと、パッと花が咲いたように微笑んだ。


「新庄さん、待ってて! すぐに行ってくる!」


「おいおいー俺に気があるんじゃないの~狂子? へへへっ」
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