ヘビロテ躁鬱女
 勘違いな呟きが聞こえたが、急いでトイレに向かった。


個室に入り考える。


――鉄平となにを話そうかなぁ……


なにも良いアイデアは思い浮かばなかったけど、考えていることが楽しくなって、トイレットペーパーをカラカラと思いっきり回転させた。


衣舞は輝と幸せになって――鉄平と私――和歌子は? 


あー駄目駄目。


そこは後で考える。今は取り戻すことだけに集中しなくっちゃ!


頭を左右に振り、脳裏の和歌子を打ち消した。気合を入れて、水を流す。ドアをバンッと勢い良く開け、鏡の前で笑みを作り手を洗った。


「最初は暗かったのに、今は元気だね。これから……なにかあるの?」
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