ヘビロテ躁鬱女
「店長と頑張って! 彼と別れて先へ進んだんだし……本当はお祝いなんてしたくないんでしょう――?」


「うるさい! それが余計っていうんだよ!」


愛子は目尻を上げ、私の横をすり抜け個室に入ってしまった。


「……ごめんなさい。でも私もアザとか作ったりしてから――ごめん。比べられない痛みだったよね

――もう、行くね」


小声で話かけ、後悔した。だいぶ図に乗ってしまった。愛子は私のことが嫌いなのに。


自らの幸せに水を差したようで、項垂れてトイレから出た。
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