【完】春紫苑

美しいー……

その中でも将光は群を抜いてる。



肩までかかる栗色の髪は綺麗にセットされていて。


長めの前髪から覗く大きな瞳。


高い鼻に薄い唇。


背は160程の流より高く180の駿よりは少し低いから176位だろう。


程よく筋肉の付いた体。


彼の全てが男女問わず見るものを引き付ける。


きっとそんな彼だから、誰も逆らえないんだと思う。

きっと周りはそんな彼だから私は将光が好きだと思っているんだろう。





違う、本当に、絶対に、違う。


私が将光を好きなのは。


私が好きな将光は………。





私だって出来ればこんな将光は見たくない。


でも仕方がないの。


じゃないと彼はきっと、壊れちゃうから。




私は、駿に命令され、どうしたら良いか分からずにいる、二人のクラスメートを見つめた。