【完】春紫苑
「どうぞ」という流の返事で入ってきたのはスーツ姿の二人の男性。
一人は若いがもう一人は、だいぶ年配のように見える。
「失礼いたします。私、東警察の者で簑原と申します。梶塚 流さんに事故当時のお話を伺いたいのですが」
その言葉にビクン、と体が強ばったのは、将光。
目が泳ぎ、さ迷ってる。
…きっと、思い出してしまったんだ。
「将光、駿、外に出てよっか」
そんな将光、見てられなくて。
私は動けずに立ち尽くす彼の手を引きながら病室を出た。