暗闇の鎌【読みきり短編集】
 ――まただ……。


いつもノラリクラリとかわされる。敦志のことは信じたいけど、歯切れの悪さに引っかかりを感じる。


もしかして浮気?


……まさかね。大事にしてくれているし、今日だってその証拠に、私の誕生日を忘れずに一緒にいるんだもの。


いっそのこと――携帯を見てしまおうか?


「なんだよ亜貴、暗い顔をして……ほらこの店だよ」


「なんでもないよ……わぁー豪華で綺麗!」
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