無力な僕らの世界と終わり
空の青さは、暑さを忘れて。
灰色の雲を、宿している。
その空を潜るように、あたし達は歩いて。
少しずつ、少しずつ。
冬を迎えながら。
何かが始まるのを待っているんだ。
………ハア……
山本の背中を見ながら、大きな溜め息を吐いた。
それは白いモヤモヤしたものになって。
空へ消えていく。
もし、美山さんが。
山本のように、自分を真摯に受け止めてくれる人が、どこかにいるんだってことを知っていたら。
こんなことにはならなかったんだろうか。
もしかしたら、立ち止まって。
もう一度、生まれてきた意味を考えてくれたかもしれない。
もしかしたら。
そう、もしかしたら。
この道を。
一緒に歩いていたのかもしれない。
けれどもやっぱり。
同じことだったような気もする。
色んな思いが交差して。
頭がすぐにぐちゃぐちゃになった。
「ひよ、また、余計なこと考えてる?」
そう言って、親友は。
優しい眼差しであたしを見詰めた。
「……ん。ごめ……」
それに、崩れそうな笑顔で答える。