無力な僕らの世界と終わり





「女とセックスできるって、意味」



「せ……」



あ、ああ、はい。
そうですか。

ああ、うん。
セックスですね。



だめだ。
想像しただけでくらくらしてきた。

瑠樹亜の白い肌とかが、ああなっててこうなってて。



「ぶっ。自分さ、鼻血出てるよ」



ふがふが。

あ、うん。
なんか、起ってきた……じゃない、垂れてきた。



「ほ、保健室行こうかな」


なんなの。
チョコレートのせいか、瑠樹亜のせいか。

全部だ。

あたし。

嬉しくてのぼせてる。



「マジで変な女……」


何回目だろう。
瑠樹亜に変な女って言われるの。

嬉しいな。


そうこうしているうちに、あたしの制服の襟が鼻血で汚れてしまった。

残りのチョコレートを頬張って、慌てて屋上を出る。


瑠樹亜の隣にもう少し座っていたかったけど。

さすがにこれは、ひどすぎると思う。




えっちなこと想像して鼻血出すとか、マジで。

中学生の男子か、あたしは。

いや、むしろ、マンガだな。




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