無力な僕らの世界と終わり




「ふーん……」



そう。

あたしは、ふーんくらいしか言えなくて、さっさとここを去ろうとベッドに背を向ける。


ちょっとだけ。

いや、けっこう。
イライラしちゃってた。




「ごめんなさい。変なこと言って。私、生理中で、ちょっと不安定だから」


「いえ、別に」



マックで彼女に笑いかけていた、瑠樹亜のふにゃっとした顔を思い出す。


誰も見たことがない。

いつも三角形に尖っている瑠樹亜が、丸になる瞬間。


そうだよね。
美山さんは瑠樹亜にあんな笑顔、もらっちゃうんだから。


おだいじに、とか、じゃあね、とか。
言えばよかったのかもしれないけど、そんな気分じゃなかった。


あたしは黙ったままで保健室を出る。


頭の中がいろんな思いでもやもやした。

呼び止めるんじゃなかったな。
こんな気持ちになるなんて。




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