未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
「言う相手が違うだろう? 恭にちゃんと自分の気持ちを伝えたかったんじゃないのか?」
「もう言えないよ」
「どうして?」
「だって、呆れてる」
上野は大輔さんのほうに後退りしていた。
呆れるまでは言わないが、俺はきっと上野がそう感じるような表情をしていたのかもしれない。
上野の涙ながらの告白は全然俺の胸に響いてこなかった。
もっと別な時にもっと穏やかに聞かされていたら、俺の心もなんだかの反応をしたかもしれない。
そう、まだ最初に車に乗せた時の楽しそうな上野の顔のほうが素直に響いてきたような気がする。
今、上野が言った言葉全てが、欲しいものが手に入らないことに駄々をこねているようにしか感じなかった。
こういう状況で「ずっと想っていた」と言われても、迷惑なだけだとまで思ってしまったかもしれない。
反論せず上野の言葉を黙って聞いていた綾の胸のうちのほうが気になっていた。