廓にて〜ある出征兵士と女郎の一夜〜



『晴れて戦地から生きて戻れたら、オレはお陽さんを迎えに行きます』




お陽は、悟の一言に驚いてクスりと笑った。



『当てにせんと待っとるわ』





彼女は、心のどこかで微かに期待をしている自分を恥じた。


それでも抑えきれなくて、悟の頬に両手をあてがい


彼の顔をしっかり記憶に留めようとしていた。





『悟さんは、いい男じゃねえ。あたいは誇らしいよ』




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