くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
超最悪……
あたしはふてくされて亜美のケータイに電話するため、電話の置いてある玄関に向かった。
ちなみにうちは大家族だけど、高校を出るまではケータイは厳禁。
今どき小学生すら持ってる姿は珍しくないから、2歳下の茉莉花なんかしょっちゅうねだってるけど、他は緩いうちの親もこれだけは首をタテに振らないんだよね。
まあ確かに、ケータイがなけりゃ死ぬってわけじゃないけど……。
電話帳で亜美のケータイ番号を探してる最中、大紀兄さんが通りかかった。
「そういえば、瑠璃香。おまえどこに泊めるんだよ、勇人をさ」
ハヤト……って誰だっけ?
あたしがぽかんとした顔で見たからか、大紀兄さんはこれ見よがしなため息を着いた。
「野島だよ! 野島勇人。おまえのクラスメートの」
言われてああそう言えば、とやっと思い出した。
「おまえな~若いくせにそのぼけっぷり何とかしろよ」
大紀兄さんのお小言はあたしの耳に届かない。
兄さんに指摘された現実的な問題があたしに迫ってきたから。
野島をどこに泊めるかなんて、お母さん達が考えていてくれるとは思うんだけど。